自己管理物件で入居者から退去報告があった場合、大家(私達)がすることを紹介します。
退去報告から退去立ち合い日の決定
2月中旬に、入居者から退去報告を受けました。ちなみに入居者とはLINEで会話しています。
ご無沙汰しております。
この度、他県に引っ越すことが決まりましたので3月末で退去させていただきます。
引っ越しの日程は詳しく決まっていないのですが、手続きや引渡し日などを相談させていただきたく思います。
3月末の退去、承知いたしました。
手続きは後日連絡させていただきます。
今までありがとうございました。
「よりによって3月末か…」とは表にださず、まずは退去承知と返しましょう。(賃貸契約の繫忙期は1月~3月。4月~9月は閑散期。)
退去通知は退去日の1ヶ月前に貰います。普通の賃貸契約書なら「1月前に退去通知」と明記されていると思います。今回は1ヶ月前に退去報告をもらったので問題ありません。
もし、2月中旬に2月末に退去したいと報告を受けた場合、「2月末退去は不可能です。最短で3月中の退去となりますが、3月分の家賃は発生します。」と伝えましょう。
退去の流れは以下のとおりとなります👇
退去立ち合い日が決まりましたら、ご連絡ください。
- 解約日の1月前に退去する旨を大家に報告←済
- 退去届を大家に提出
賃貸契約書の最終ページに退去届がありますので、記載し送ってください。 - 退去日の決定
退去日は3月の半ばまでには決定してください。
退去日がいつになっても、家賃の日割りは行いません。
3月のどの日に退去されても、3月分の家賃は満額発生します。 - 退去日までに残置物の撤去
エアコン、照明は設備のため残してください。 - 退去日に退去立ち合い
退去立ち合いでは以下をチェックします👇
・残置物はないか
・汚損はないか(クリーニングが必要な汚れ、キッチンの油汚れ、風呂やエアコンのカビ、壁紙のヤニ汚れなど)
・破損はないか(壁や床に穴、設備破壊など)
破損汚損がある場合、原状回復費用として別途請求させていただきます。
汚れは常識の範囲内で掃除がきちんとされていれば請求することはありません。 - 鍵の返却
👆入居者に退去の手順を伝えます。重要なポイントは3月分の家賃は満額発生すること、汚損破損があった場合は請求があることを伝え、了承してもらうこと。
了解しました。
日程が決まりましたら連絡いたします。
~数日後~
立ち合い日は3/26はいかがでしょうか?
11:00くらいだとありがたいです。
承知いたしました。
3/26 11:00 退去立ち合いいたします。
現地にてよろしくお願いいたします。
退去立ち合い日が決まりました。退去立ち合い日までに退去チェックリストを準備しておきましょう👇
退去チェックリストの準備
退去チェックリストを準備しましょう。自分で作成しても、ネットから拾っても良いです。破損汚損を書き込めるようにすれば形式はなんでも大丈夫です。
これはネットにあった退去チェックリストです👆
退去立会時に、損害箇所をチェックリストに書き込み、入居者から確認のサインを貰いましょう。このサインを貰うことが重要です。
サインしたということは、「この損害を起こした者は入居者であると、入居者が認めた」ことになります。このサインがあれば退去後に入居者が音信不通になったとしても、保証会社や保険会社に請求可能になります。
逆に言うと、サインを貰えなければ保証会社や保険会社は補填してくれないケースがあります。サインさえあれば損害箇所の修繕費用を確実に補填できます。
退去立ち会い
退去立ち合い日に物件現地に向かい、入居者と物件の状態をチェックしていきます。
損害箇所は壁の穴のみですね。
敷金はないので修繕費用は後程請求いたします。
お手数ですがこのチェックリストにサインをいただけますか。
分かりました。
サインしました。
鍵も返却します。
ありがとうございます。
これで退去完了です。
今までありがとうございました。
なお、以下のように通常の使い方で発生した損害は請求できません👇賃貸契約書にこのように記載されていると思います。
- 家具の設置による床、カーペットのへこみ、設置跡
- 畳の変色、フローリングの色落ち
- テレビ、冷蔵庫の後部壁面の黒ずみ(いわゆる電気ヤケ)
- 壁に貼ったポスターや絵画の跡
- エアコン(賃借人所有)設置による壁のビス穴、跡
- クロスの変色(日照などの自然現象によるもの)
- 壁等の画鋲、ピン等の穴(下地ボードの張替えは不要な程度のもの)
- 地震で破損したガラス
- 網入りガラスの亀裂(構造により自然に発生したもの)
損害請求
大家は、損害箇所の修繕見積もりを取って入居者に請求します。
入居者は、入居者が加入している火災保険に損害請求されたので保険金で補填するように問合せします。大家が直接、入居者の火災保険とやり取りできるなら、そうした方が手っ取り早いです。
もしも、入居者が音信不通になり、かつ入居者の火災保険が不明の場合は、仕方がないので大家の火災保険を使用しましょう。
損害箇所を入居者が認めた書類(入居者のサイン付きの退去チェックリスト)があれば保証会社に請求可能です。
まとめ
- 退去月の家賃は日割計算なしで満額発生する、と伝える
- 退去チェックリストを準備して、損害箇所を書き込み入居者からサインをもらう
- 損害があった場合は保険会社と交渉する
上記さえ押さえておけば、たとえ悪質な入居者に逃げられても保証会社、保険会社から修繕費等を補填可能です。
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