利回りは不動産投資で必須知識です。「表面利回り」と「実質利回り」の違いと計算方法を把握しておきましょう。
表面利回りと実質利回り
利回りとは、物件価格に対して1年間で得られる収入の割合のことです。
「表面利回り(グロス利回り)」と「実質利回り(ネット利回り)」の2種類があります。
表面利回り(グロス利回り)
【表面利回りの計算式】 表面利回り(%)=年間家賃収入÷物件価格×100
表面利回りとは、物件の価格に対して現時点で家賃収入をどの程度得られているかという収益性を表す数値です。
不動産投資で単に「利回り」とのみ表現される場合は表面利回りを指すことが多いです。
(例)500万円の物件を購入して6.5万円で貸した場合の表面利回りは?
表面利回り
= ( 6.5(万円) × 12(ヶ月) ) ÷ 500(万円) × 100
= 15.6(%)
実質利回り(ネット利回り)
【実質利回りの計算式】 実質利回り(%)=(年間家賃収入-ランニングコスト)÷(物件価格+初期コスト)×100
実質利回りとは、表面利回りに初期コスト(購入時の諸経費)とランニングコスト(年間の運用費)を考慮した収益を表す数値です。
初期コスト(購入時の諸経費)は物件価格の10%程度を想定しておけばいいです。
(例)500万円の物件を購入して6.5万円で貸しました。初期コスト(購入時の諸経費)が50万円、ランニングコスト(年間の運用費)が10万円かかった場合の実質利回りは?
実質利回り
= ( 6.5(万円) × 12(ヶ月) – 10(万円) ) ÷ ( 500(万円) + 50(万円) ) × 100
= 12.36(%)
表面利回りは15.6%でしたが、諸経費を考慮しますと実質利回り12.36%になりました。不動産屋は表面利回りで話をしてきますが、重要なのは実質利回りです。
表面利回りでおおよその利回りを把握して、実質利回りで具体的な利回りを詰めていくようにしましょう。
表面利回りの相場
地域別 | 区分マンション 表面利回り |
---|---|
首都圏 | 6.90% |
関西 | 7.63% |
東海 | 10.18% |
九州・沖縄 | 10.63% |
北海道 | 10.95% |
東北 | 12.79% |
中国・四国 | 13.34% |
信州・北陸 | 16.17% |
左記に、不動産投資ポータルサイト「健美家」の2022年5月のデータを元に区分マンションの表面利回りを地域別にまとめました。
都市ほど表面利回りが低く、地方ほど表面利回りが高くなっていることが分かります。
東京23区、横浜市、大阪市、京都市などの特に人気の高いエリアは表面利回り5%を下回ります。
立地のいい都市周辺で利回りの高い中古物件を探し当てることが重要です。
地方にいくと利回りは高くなりますが、入居者を探すことが大変です。例えば北陸の富山県の山奥で表面利回り40%超えの物件を購入しても、入居者を探すのはほぼ不可能でしょう。
入居者を探しやすくかつ利回りが高い物件を買うことが重要です。そのバランスで都市部周辺の実質知回り13%の物件を探すことをお勧めします。
まとめ
- 表面利回りではなく、実質利回りで考える
- 利回りは都市ほど低くなり、地方ほど高くなる
- 入居者は都市ほど探しやすく、地方は探しにくい
- キャッシュがあるなら安定を求めて都市部の物件を購入すると良い
- キャッシュがないなら利回りを求めて都市部近郊の物件を購入すると良い
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